殿様だけがズレている

 この1週間の新聞を読む。やはり安保法制論議に目が行く。沖縄戦の終結日に合わせた報道も多かった。つくづく安倍晋三は何て幼稚なんだと思う。いや、安倍だけではない、その取り巻きを含めてなのだろうが。

 国会議員は、基本的に、政界の動きしか見ていない。日本にはびこる「ギョーカイ」の一つなのである。これは肝に銘じておくべきだ。視野が極端に狭い。広いと見せかけて狭い。

 安保法制を今国会で力ずくでも成立させるため、国会の会期を延長させるのだという。そうやって逆算して、自分の思い通りにすることにやつらは長けている。あとは何も見ていやしない。

 安倍晋三の祖父・岸信介は1960年の安保闘争に対して、こんなことを言った。「国会前では安保反対と罵声がかまびすしいが、そんなのはここだけ。銀座や後楽園に行けば、国民のみなさんはレジャーをエンジョイしちょる」(俺翻訳)。このセリフは、我々にとってはクソに過ぎない、ある保守派論客が同じセリフを引いて「世間が過剰反応している時に冷静な判断ができる稀にみる名宰相」みたいな評価をしていて、こいつ頭狂ってると思うと同時に、これが現実かと慄然とした。

 そして、安倍晋三がこの「偉大なる祖父」の政治思想と、何よりもその態度を踏襲していることは、疑いようもない。国会前、首相官邸前で我々がいかにわめき散らそうと、やつは渋谷近くの私邸(とっても静かな高級住宅地にある)でぐーすか眠っている。

 だから無力になるわけでは決してない。サジを投げるつもりはない。個人的に言わせてもらうならば、まだサジさえ握っておらず、情けなさに歯ぎしりしているところだ。

 朝日新聞で、安倍晋三の思想背景を探る連載記事を載せていた。斜め読みする。90年代の自民党主流派は「護憲派」だったそうだ。戦時中に青年期を過ごした「戦中派」が政界の中心にいた時期だ。じいちゃんとうちゃんの代から「改憲派サラブレッドの安倍は、その時代状況がおもしろくなかった。こころざしを同じくする(世襲の)若手議員らと歴史問題勉強会なるものを立ち上げ、教科書の「自虐的な」記述に「反日だ!!」と難癖をつける活動を始める。

 生活者は「反日」なんて言葉は使わない。「自国の過ちを指摘することこそ最も愛国的な行為だ」と言った人もいたなあ。それ以前に、反日、愛国、なんでもいいが、そういう単語を自覚的に言ってしまう人は限られてくる。多くの人は後ろに「(笑)」を入れてやらないと使えないだろう。「(笑)」が嫌いな自分は、そんな単語は言えないのです。

 何を言いたいのかというと、特殊単語を使用する人々(=安倍ら)とは同じ土俵で戦えないということです。だが、戦う。相手の土俵で?・・・

 

 最後に歌を。オシリペンペンズです。

 

怪物じみて怖い 猥褻だ

妖怪じみて怖い 猥褻だ

オカルトじみて怖い 猥褻だ

変態じみて怖い 猥褻だ

猥褻だ 卑猥だ

 

腹ぺこそうで怖い 猥褻だ

話せなそうで怖い 猥褻だ

持っていかれそうで怖い 猥褻だ

忘れてそうで怖い 猥褻だ

猥褻だ 卑猥だ

 

もう一曲。同じくオシリペンペンズ

 

「君たちこの先いいことなんか一つも無い」と、おー

静まりかえる殿中、えへん

確かな声で、おー

「拷問、磔、爪剥ぎ、のちに釜茹でだよ」と、おー

泣き出すチョンマゲ

それ見て一人耐えきれなくて、おー

殿様だけがメチャ笑う

(中略)

チョンマゲだけがズレている

チョンマゲだけが花開く

拷問磔爪剥ぎ釜茹で暴行股裂水責め打ち首